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  • 10年後の姿

    アメリカのドラッグストア業界を視察しに行ったとき、この業界だけじゃないけど、「今のアメリカの姿は10年後の日本の姿」とよく言われた。

    日本のドラッグストアがこぞってお手本のように名前を挙げたウォルグリーンの薬剤師は年俸1000万円で、物価を加味すると2000万円相当の仕事をしていて、お店では薬剤師が予防接種をする…。それだけの知識と権威がある…と。

    だから、日本も10年後は…そうなると言われていたけど、そうはならなかった。日本の薬剤師とドラッグストアにはそれだけの力量がなかった。

    理由はいくらでも思い当たるけれど、他責にしても仕方ないので、やはり自分たちの力不足だったんだろうと思う。ついでに言うなら、ドラッグストア経営者の理念のなさがあったんじゃないか?

    コロナの頃、ドラッグストアは予防接種の場にはならなかったし、製薬メーカーには予防接種も治療薬も製剤化できるネタが何もなく、「うちがやります」と名乗りを上げたメーカーもその時点では何か手立てがあるようにも見えず、株価は冷え切ったままだったっけ。でも全国の国立大学が自前のストック(研究の蓄積)を披露し始めて、頼もしかったねぇ。

    ここにこの業界の闇を感じたひとは少なからずいたはず。

    国立大学の研究者は苦しかろうが、自分の信じた研究を続けていらっしゃる。でも、メーカーはもうからないものにお金は出さない。国も出さない。でも、昨日今日国が支援をし始めても商品にはなるのはいつのことかまったく先が見えない。

    仮に今日から製薬化学分野に国が支援を始めても日の目を見るのは早くて10年。国立大学が秘かに積み上げてきた実績を買い取るのが早道か…。

    いずれにせよ、死に体の医薬品工業を再興するのは時間とお金がかかることだろう。