タグ: 改善活動

  • 動機付け

    端的に言えば、その仕事の意義、必要性、大切さ、影響力を理解し、自発的に取り組む意欲を醸成することでもあるし、配置転換であれば、職場や職務、立場が変わることの意義を理解させることだし、配置転換後の行動に大きく影響する。

    人間という生き物は意義を知れば、自然と行動が変わる。種々雑多な業務があったとしても、意義を知っておれば、優先すべき業務に気付けるし、力を入れるべき業務がわかる。

    仮に定型業務主体の仕事でも、動機付けがあるかないかは個々の仕事の成果を左右するだろうし、であれば、自ずと個々の業務の総和たる職場や会社全体の成果も左右するだろう。トヨタのカイゼン活動を例に挙げるまでもないし、改善し続けるという動機を生み出していることは着眼に値する。

    問題や課題がわかっているのに放置することほど愚かなことはない。

    愚かだと言ってしまおう。

    かなり昔の話だけれど、ある製造業の社長にお会いすることができた。当時、メーカーだけでなく卸や小売業からも経営の神様のように言われたお方で、当時自分の上司が会うことになったのを聞きつけ無理を言って御伴することになった。

    その時、その社長はいくつかのお話の中で「問題解決より、問題発見」だというようなことをおっしゃった。事実、自社の営業マンには問題発見をしつこく求めるのだそうな。問題発見の数と担当する取引先様への訪問回数(これは業務の数値化のような意味合いがあるはずで、評価制度上の基準のひとつだったのかも知れない)。

    この話はいろんな意義を含んでいるので説明しづらいが、観察眼を磨けということがあると思う。安易に解決策に走るより、問題の全体が見えた(見えてからの)方が実は少ない打ち手で解決できることが経験上言える。モグラたたきは問題解決ではなく(愚策であり)、一石二鳥、三鳥を考えるのが仕事であろうし、経営であろう。

    もっと言えば、ボタンひとつで問題のすべてを解決するのが賢いものの選択だ。

    違う言い方をするビジネスパーソンもいるかも知れない。どんな現場に行ってもまず初手は「現状把握」。これも同じことを言っていると言っていい。

    何よりも問題の発見が一番難しいよ、と経営の神様はおっしゃった。

    おまけのように付け足したが、営業マンに訪問回数を求めたのも深いお考えがある。どんな話をするか、どんな提案をするか、そこではないと。若干、昭和のにおいがしないでもないけれど、会う回数が増えれば、自ずと必要な化学反応は起きるということだろう。上司や会社があれしろこれしろ、こういう提案を持って行けだのと言うより、足を運ぶことでそれぞれの取引先様に必要な問題や課題が発見され、明確になって実現する。

    成果はおのずとついてくる。

    こういった話は決して新しい思想でもなければ、むしろうまくいっている会社が昔から愚直に繰り返しやっていることであって、いくらでも書籍などで触れることができることだから、参考にしない手はない。

    実際、この経営の神様にお会いしたのは2010年より前の話だし、トヨタの〇〇みたいな書籍ならもっと昔からある。

    いいことは真似るという単純でいいことをしない会社やビジネスパーソンはその時点で思考停止していると言っていい。停滞は衰退と言われ始めてこれも何十年と経つ。私が社会に出た1998年の時点ですでに言われていた。

    他者から学ばない会社やビジネスパーソンには衰退の道しかない。

    動機付けがあるかないかで、その会社の、その部署の、その職場の程度が知れるし、そこに働く人間の未来を左右するかも知れず、あまりにも責任が大きい。