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  • ダブルチェックは本当に必要か?

    そんなだいそれたことではない。罠でも何でもない。

    ダブルチェックが機能する環境というのは極めて限定的だと思うのです。

    正直、このダブルチェックが継続的に機能している環境を見たことがない。比較的簡単に破綻する。だから、ダブルチェックしたにも関わらず、ミスが通り抜けてしまった場合、まず、トリプルチェックしましょうという発想になるのはほぼ不正解と言っていい。チェックの在り方を検証しないで回数を増やしても同じこと。

    よく言われるのはAさんがチェックしたから大丈夫、2回目のチェックだから、1回目の人がちゃんと見てるはず、結局Aさんか1回目のチェック者だけでやっているのと同じことだね。下手するとAさんが「ほかの人も見てくれるから」と気を抜いたら、誰もチェックしていないのと同じになる。

    ある意味、精神力の問題になる。

    そして、それに気付いている薬局、企業は多いから、チェックの回数を増やすこと➡ただ単に手間(人件費)が増えて、チェックの質も落ちていいことない、のが常識であり、通説なのではないだろうか。

    結局、システムの力を借りて、人間的な先入観を消すのが一番だとは思う。

    あと、可能なこととしてはダブルチェックといっても同じことをやるのではなく、違う角度で確認をする手法だろうか。ひとりは処方箋の文字を見て必要なものを集めてくる、ひとりは出てきたものの名前と数量を確認したのちに処方箋を見る。プロセスを変える。ここまでくるとやはりシステムの方が得意分野ということになろうが。

    ある程度の企業体であれば、この程度のシステム導入はそれほど大きな問題ではないだろう。費用対効果から言っても必要最低限の投資と言えよう。

    ただ、これが小規模な薬局や病院となると難しいかも知れない。システムだって数を買えば単価は下がる、道理だ。でも、メンバーチェンジが少ない環境でもあるので、「大丈夫だ」という自信も慢心も生まれやすい。そのくせ効率的ではないことが多く、且つ人不足も相まって、気合いとか誇りで解決しようとする。

    そこまでいくと昭和的でもなく、精神力でゼロ戦飛ばせと言うに等しい。

    が、しかし令和でも存在する。化石と言っていい薬局(薬剤部)は実在する。それもベテランだけでやっていけるなら、それでいいのかも知れない。ただ、経営的な観点で継続性は低く、継続以前に従業員が有休を使うこともうっかり体調を崩すことも許されない、過酷な環境がある。それどころか、電話当番とかオンコール対応と称して、公休日にやたら電話が鳴る業務が回ってくる。

    一方、小規模とは関係なく、調剤報酬制度の中に夜間休日に喜んで対応することが組み込まれた。

    今回のテーマとはだいぶ乖離しているが、薬剤師は夜間休日という余暇を捨てることを求められるようになってしまった。

    一方、医師は当直はあるだろうけど、しっかり休むようになってきているんじゃないだろうか。ましてや個人のクリニックであれば、盆も正月もGWもSWもしっかり休む。当番があれば別だけど、なければ緊急電話もないだろう。

    この逆転現象は一体なんなんだろう。

    薬局側は単に薬剤師会のアピールだと思う。

    医師の側はワークライフバランス。

    これで十分説明はついたか…。

  • 薬局の時間外労働対策

    まずはサービス残業対策。
    次に退勤間際の時間帯の段取り。
    本丸は朝から帰るまでの作業(頭脳労働ではなく、ルーティンというか、定型業務)の手順、オペレーション改革。

    これはどんか業種業態にも当てはまる。

    まず、サービス残業対策。
    これをやらないと(今まで勤怠などで把握できていた)残業時間は減るけれど、把握できないものにすり替わる可能性があって、当然法にも触れるし、働いている人たちのモチベーションも体力も損なわれる。1ミリもいいことはない。まずは残業がサービス残業化しないよう予防策を講じておく。

    見えていた残業が管理されないサービス残業化するのは、「残業=悪」という標語が「残業禁止」→「残業すると会社に把握される」→「隠れてやればいい(勤怠を通さない)」or「残業代を払いたくないなら自分の時間でやるわ」に歪んで変換された結果ではなかろうか。勤怠に記録が残らなければいいんだろ?という発想になり、誰かがトラブって退職するときにお上に通報されて明るみに出るパターン。

    そもそもは善意からやっていることが多いのではないか。朝早く出勤して◯◯をやるんだから、そもそもは悪意じゃない。なのに、れっきとした業務であるのに違法だのサービス残業だのと言い渡される。れっきとした業務なんだから、その時点で違法だのなんだのって間違っているんだけど、その朝早く来てやっている業務を勤務として認める、充てる。それだけでいい。朝が無理なら他の比較的手すきの時間に変更する。とにかく勤務時間の枠の中に充てる。人智を尽くしてもどうにもこうにも勤務時間内に当てはまらないなら、それって全体の人時(人手)不足。増員案件。まぁ、増員となると費用対効果も考えなきゃいけないから、単純に採用しましょうとはならないかも知れないけど、そうなると本当にやらないといけない仕事?という議論もまじめにせねばならない。やらなくていい仕事なら言いにくくてもそういう話をせねば、解決しない。

    総じて、「〇〇したほうがいい」はしない。「〇〇しなくてはならない(マスト)」の仕事に力点を置く。

    とにかく、れっきとした業務なら勤務時間として認めるところから。

    次に「帰りましょうキャンペーン」。一見安っぽいけど、効果がないこともない。本来は段取り、1日の仕事の流れの中で計画的に時刻通り帰るのが理想だけど、そもそも時計を見る習慣のないのもいるし、帰ってもいいのかしら?と気遣いが脳裏をよぎることもある。だから、「時間ですよ」とバッサリいけばいい。言ってみれば、退勤時刻になったら、「時間です」と宣言する係を作る。実はこういう具体性が大事。ただ、仕事も終わってないのに時間だからとさっさと帰る輩も躾のない学級会には多い…。

    で、本丸。

    一般論としては一連の業務フローの中で律速となっているポイントを見付ける。一日の業務の核、あるいは大多数を占める業務の手順や環境を整える。

    いきなり細かいことから言うようだけど、毎日使う文房具を使うたびに置き場所まで取りに行くことが無駄だと気付かなければならない。毎日使うなら、いつも使う場所に定位置として設置することが実は象徴的な改善策。

    部長がハンコを押すべき書類をいつも溜め込んで決済が進まない。部長が溜め込んでしまう癖の人なのか、そもそも社内の書類管理が多いのか、その部長に集まってくる書類の量が適正じゃないのか、部長の前の段階の人が溜め込んで一気に持ち込むから部長が悪く見えるのか…。ちょっとここでは個人の癖とか能力は別の話なので、稟議回覧のフローを簡略する(つまりこれは単にハンコを押す欄を削る、省くという話ではなくて、適切に権限移譲して、書類の回覧のみにするか、それでは書類は減らんということなら、権限者が周知するところまで責任を持つ、等々の内部統制的な話になる)ことになる。

    つまり、部長ではなく課長に権限移譲されておれば、課長段階で周知なり運用に移行すれば事足りる。部長は「はい、見たよ」でおしまい。

    調剤薬局なら棚。棚の配置が命。よく使う医薬品を一番下の引き出しにしまって、都度しゃがんだりかがんだり、腰を痛めて、取る無駄は良識があればそうならない。と、こう読めば「そんなバカな」というだろうけど、どういうわけか、薬局というところは考えなくても変だな、という状態の上にさらに次の層が覆いかぶさっていることが多くてそのまま保存される。つまり普通に実在するし地層化する。若いから腰痛くない、とかそういう話じゃないんだが、高頻度に使うAという医薬品を28錠取ってくるためにいちいちしゃがんだりかがんだり、腰を痛めたりすることを繰り返す時間の浪費と筋肉・関節の疲労に向き合わないといけないんだが。

    よく使うものは簡単に手の届く場所に。これは見える化もセットだと思う。ひとに訊かなくても見たら見つかる。

    更に徹底するなら、最下段の引き出しは使用不可(備品などは可)。

    次に法則の単純化。一般的には50音順。50音順と言ったら50音順。例外を作らない。自動的に1ヶ所展開になる。Bという医薬品があっちとこっちにもあるなんてことは愚の骨頂(だけど、やはり実在するし、薬局あるある)。湿布が(ガタイが大きいから)あっちの棚とこっちの棚に分かれているなんてことも同様。法的には普通薬・劇薬を区分するけれど、次の区分は剤形。錠剤カプセル、軟膏チューブ、目薬…。予備在庫が本籍の棚に収まらないなら、その本籍棚が頻繁に使うものなら、その使用頻度に耐える場所でなければならない。本籍棚が取りやすい上段の目線にあるのに予備在庫は最下段の引き出し、あるいは別のオリコンにしまってある、脈絡のない別の棚に別途あいう…が並んでいるなんてことも作業性を完全に無視しているだけでなく、混迷以外の何物でもない。

    狭義の調剤(いわゆるピッキング)は単純作業だから、効率(作業性)がすべて。余計なことが頭をよぎれば間違いのもと。配置ルールの単純化と徹底に尽きる。正しいお薬を正しい数量持ってくるだけにする。

    ここまで効率命でお話ししたけれど、”薬効分類別”という棚の考え方もある。チェーンの薬局が大多数を占めるから、応援などの人の貸し借りが普段から起きる環境では恐らく極めて少数派ではあると思うし、個人薬局限定かも知れない。ただ、どうしても薬効がひとつとは限らないので、配置に困ることになる。つまり、初学者や配属間もない人間にとっても教える側にとっても一言では説明し切れないし、慣れるまでの時間が必要になる。つまり、熟練が必要。一方、剤形別と50音順を伝えれば済むのであれば、OJTする方もされる方も短時間だし、覚えることも少ないから経費の面でも年取った頭でも負担が少ないし、今日からある一定のパフォーマンスを期待していい。教育が一番お金がかかる。教える人と教わる人の人件費はいつも×2以上だし、習得したかどうかわかりにくいから効果も微妙。費用対効果が悪いというより算出しづらい。

    だから、ルールがシンプルで、教えること覚えることが少ないことが正義なのだ。

    ただね…、”薬効別分類”はその会社や薬局の姿勢としては嫌いじゃないし、立派だと思う。つまり、そこに思想があるか否かだと思う。

    また、機会があれば作業動線とかもう少し人間の動きの話もいつか。